ウンコはいかにして土に還るか:野糞跡掘り返し調査の記録

[便論糞ぷん]

posted on 2010.03.08

 ウンコを土に還すことの大切さはすでに述べたが、具体的に野糞がどのように分解し
てゆくのか、疑問や不安を抱く人は多いと思う。実際に野糞跡を掘り返してその様子を
見るまでは、正直言って私自身も確信を持てなかった。これは一つの例にすぎないかも
しれないが、関東平野北部の山里で行った160点余の調査をもとに、野糞分解のあらま
しを解説する。

1:夏場の野糞分解

① 動物による食分解
 脱糞直後に飛来して、まっ先にウンコを食べはじめるのがハエだ。ほぼ100%やって
来るキンバエなど、その種類は幾つかあるが、特にセンチニクバエは出したてのウンコ
に多数のウジを産みつける。そのウジの食欲は凄まじく、他人の出しっ放しの野糞を
観察した時には、ウンコ全体に小さな穴が無数に空いて、まるでスポンジ細工の
ようだった。
嫌われ者のハエだが、ウンコの食分解においては、見上げたパイオニアだ。
 また、イノシシやタヌキ、野犬などの多くの獣も、野糞跡を掘り返してウンコを
食べる。
夏場の調査では、ほぼ一割のウンコが獣に食べられた。
 さらに、アリとフン虫(糞を餌とするセンチコガネの仲間)の活躍も素晴らしい。
脱糞後に最も早く掘り上げた4日後のウンコでは、アリが食べた直径1ミリ程の小さな
トンネルが幾つも空いていた。次の6日後では、径5〜6ミリのトンネルが無数に走り、
フン虫の一種:ツヤエンマコガネが何匹も現れた。ほとんどすべての野糞跡で、
アリとフン虫の食い跡を確認したが、フン虫の姿は1ヶ月未満のウンコでしか見られなかった。
それに対してアリは、単に食べるだけでなく、ウンコ全体を巣にしてしまい、
2ヶ月後でもその姿がたくさん見られた。
 さらに40日後以降になるとミミズが現れ、分解の進んだウンコをせっせと食べて、
団粒土を作ってゆく。団粒土とは、小さな粒状になった土で、養分豊富なうえに
通気性と保水性が良く、植物の根にとっては最高の土だ。
そしてこれは、ミミズのウンコでもある。

②に続く。

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