ウンコはご馳走

[便論糞ぷん]

posted on 2013.04.05

◎ 生きる基本は食べて出すこと
 光合成を行い、無機物から有機物を作り出す植物。その有機物を食べて生きる動物。そして枯木や落葉・死骸や糞などの、死んだ有機物を分解して無機物に戻す菌類。このようにして植物・動物・菌類は、生態系の循環の中でそれぞれが、生産者・消費者・分解者としての役割を担っている。
 動物だけでなく、植物も菌類も生き物であれば、生きるための栄養を得なければならない。体を作り、活動するエネルギーを得、子孫を残すためにも、食べ物は無くてはならない命の源だ。そして、不要になった残りカスはウンコとして出さなければ生きていけない。食べて出すのは、すべての生き物の生きる基本だ。
 自分の体内に消化器官を持っている動物は、食とウンコの関係がわかりやすい。では、植物や菌類にとっての食べ物とウンコとは、いったい何なのだろう。栄養を得るためのものを『食べ物』、不要になって捨てるものを『ウンコ』と定義して考えてみよう。

◎ 植物や菌類の食べ物とウンコとは?
 光合成は、無機物の二酸化炭素(CO2)と水と光エネルギーを使い、有機物のブドウ糖と水と酸素に変える化学反応だが、実はこれが植物の食事の仕方だ。このブドウ糖を元に、さらに多くの無機物を使って化学反応を繰り返し、炭水化物や脂肪、タンパク質などの複雑な構造の有機物が作られてゆく。また、酸素は植物自身の呼吸にもある程度使われるが、使い切れない大量の酸素は大気中に捨てられる。つまり植物にとっては、CO2などの無機物が食べ物で、余分だから捨てられる酸素がウンコだ。
 菌類のキノコやカビは、細胞が細長い糸状につながった菌糸でできており、酵母やバクテリアは単細胞だ。当然消化器官もなければ、口も肛門もない。菌類は細胞から消化酵素を分泌し、食べ物の枯木や落葉・糞などの有機物を体の外側で消化(分解)し、そこから自分に必要な栄養分だけを吸収する。要らないから大気中に捨てられるCO2や、土の中に取り残される無機物などの養分が菌類のウンコだ。そしてこの菌類のウンコが、植物には欠かせない大切な食べ物になる。

◎ 循環する食べ物とウンコ
 次に、植物・動物・菌類の食とウンコの関係を、生態系の循環の中で見てみよう。
・菌類は動植物の死骸やウンコを食べ、CO2や土中の養分になるウンコをする。
・植物は菌類のウンコを食べて有機物を作り、酸素というウンコをする。
・動物は植物の体とそのウンコである酸素を食べ、菌類の食べ物である正真正銘のウンコをする。
 つまりウンコは自分にとっては不要なカスだが、他の生き物にとっては無くてはならない大切な食べ物だ。AのウンコはBのご馳走になり、BのウンコはCのご馳走になる。そしてCのウンコがAのご馳走になって戻って来る。これが生態系の循環という、一切無駄のない理想的なシステムなのだ。

ページのトップへ