糞土師のひとりごと
『ウンコはごちそう』VS『ウンコイジメ』 その1
posted on 2011.07.04
6月28日、隣町にある小学校で、1年生とその父母を対象に『ウンコはごちそう』と題してスライド講演を行いました。
子供向けに簡略化したスライドを用い、食べ物とウンコの関係、腐ることの大切さ、そして野糞跡でのウンコ分解の実態、という内容です。最後に野糞3点セット(スコップ、水入れ、虫除け)と、チガヤの穂やヨモギ、キウイフルーツ、ラムズイヤーなどのお尻を拭く葉っぱを見せると、その手触りの良さに子供たちは葉っぱの奪い合い。「この葉っぱもらってもいい〜?」
実はこの小学校での講演会は昨年12月にもあり、今回は新1年生向けの第2回目でした。以前家族で糞土講演会に参加したNさんが、娘が小学校に上がったのを機に、多くの子供たちにウンコの大切さを知ってほしいと学校に提案したのが事の始まりです。
一部の父兄からの抵抗もありましたが、ウンコをするという当たり前のことがイジメの対象になり、学校でウンコができない子が大勢いることに心を痛めていた先生の後押しもありました。
さらに、山間の小さな学校で自然に恵まれ、校長先生や教頭先生などの理解もあって、最初の講演が実現しました。その成功が実を結び、さっそく半年後に2回目の講演会になりました。
食と同様に、ウンコにも正しく向き合うことは、まともな大人に成長する上で重要なことです。それにしても、糞土師活動が学校でのイジメ解消にも役立つことに、私自身おおいに勇気づけられてます。そして、学校での講演がどんどん広まらないものかと考えています。
6月11〜12日、只見講演会報告
posted on 2011.06.13
大震災に加えて原発事故で大変な福島も、最奥の只見町は初夏の緑に満ちあふれた楽園でした。
今回の主催者:只見の自然に学ぶ会では、地元新聞2紙での告知も考慮して、ウンコや糞を前面に出さず、講演会「くさってつながる命の環」・観察会「お尻で見る葉っぱ図鑑」という素晴らしいチラシを作ってくれました。しかし、『ウンコは良識の踏絵』に書いたように、世間の良識?の壁は想像を超える高さで、紙上告知は空振りに終わりました。
それでも、意識の高い聴衆が30名近く集まってくれました。
熱心な質疑応答も済み、温泉で汗を流し、夕方からの懇親会ではうまい酒も入り、古武術式ウンコ座りの実演も交えながら、夜遅くまで熱便を振るいました。お陰で翌朝目が覚めると、ノドはガラガラ。はれぼったい目で起き出し、朝食前に野糞に出ました。
只見線の線路際の林で野糞を済ませ、その日の教材用に葉っぱを数種類摘んで宿に帰ると、間もなく朝食。スッキリしたお腹に美味しい朝御飯を、お代わりしていただきました。
観察会には14名が参加し、正しい野糞の仕方や、現物に触りながら葉っぱの奥深さを解説。続いて、道端や林の中で、全員で葉っぱ探し。この日見つけた最高級品はオヤマボクチ(ヤマゴボウ)。やわらかい綿毛を裏に密生した大きな葉は、文句なしの評価5。
この時、参加者の中に下痢ぎみの山屋が一人いました。採りたての葉っぱに加えて、講習用に持って行ったデザート用のミントの葉を1枚渡して、さっそく実践!
その感想は、「葉っぱの評価をする余裕はなかったが、心配していた違和感はまったく無く、すっきり拭けた。ミントのスースーした爽やかさがまだ残っていて、とても気持ち良い。」
今回は登山愛好家が何名も参加していたのが、大きな収穫でした。学ぶ会の方からは、浅草岳で高校総体の山岳競技があった時に、その野糞跡の汚らしさが問題になり、それ以後は山岳競技が中止になった、という話を聞きました。電気も水も止まる災害時だけでなく、登山などのアウトドア活動では、正しい野糞は必須の条件です。登山界に糞土師活動をひろげる機会を、私はずっと待っていたのです。
キノコ写真の関係で、私はだいぶ前からアウトドア雑誌『ビーパル』に係わっていました。そしてビーパルには、アウトドアを標榜するなら正しい野糞特集も組むべきだ、と以前から何度も提案してきたのですが、ことごとく拒絶されています。実はビーパルは、コマーシャリズムにどっぷりつかり、スポンサーの顔色ばかりうかがう、上っ面だけのエセアウトドアだったのですね。完全に期待を裏切られました。
困難はまだまだ続くでしょうが、本物を求めて、これからもがんばります。
11年連続、記念の野糞
posted on 2011.05.31
5月31日は、私にとって連続野糞の記念日です。唯一のライバルと目している10年連続200本安打のイチローはこの所少し打撃不振ですが、お先に11年連続を達成させていただきました。
昨日までの雨雲が去り、さわやかな陽光の中を林に向かうと、道端には赤く熟れたクサイチゴの実が目を引きます。甘くて瑞々しいイチゴをほおばり、葉っぱを少し摘んで林内へ。
出始めはAランクのバナナウンコも最後は少しやわらかくなり、Cランクの並トグロで終了。若いクサイチゴの葉はやわらかくてお尻にやさしいものの、吸着力はやや劣り、評価は4。
次は、なめらかな絹毛が魅力のシロダモの若葉。これは尻触りも吸着力も文句なしの5。
ところがうっかり、爽やかな後味がたまらないミントの葉っぱでの仕上げ拭きを忘れてしまいました。せっかくの前菜(クサイチゴの実)から始まったのに、糞後のデザートを欠いた、ちょっぴり残念な11年連続野糞達成でした。
震災後の
posted on 2011.04.29
ドタバタに加え、糞土研究会会報『ノグソフィア』の発行(執筆・編集・発送作業等)に追われて、HPの更新が止まっていました。申し訳ありません。
東日本大震災での私の最大の関心事は、原発事故から引き出されたエネルギー問題です。
ヒトが生きて活動するエネルギー源が食べ物なら、その食べ物への責任がウンコです。そして人間社会が活動するためのエネルギー源が電力や石油・石炭などで、その責任が環境への負荷の軽減にあります。
一人ひとりの無責任がウンコ問題ならば、人間社会全体の無責任が電力などのエネルギー問題に現れてます。
食べ物やウンコだけに限らず、これからは糞土師の視点でエネルギー問題も論じて行きます。
ドゾ、ヨロシク!
糞土師の震災復興支援計画
posted on 2011.04.03
我が家の寝室は半壊した土蔵の二階にありました。地震の後で寝室に行ってみると、敷きっぱなしだった布団の枕元に、重たいブリキ製の衣装箱がタンスの上から落ちていました。ぐっすり眠ってる時に地震が来ていたら、そして当たり所が悪かったら、いったいどうなっていたことか。
この3月11日を自分の命日と決め、死んだ気になって糞土師活動(スライド講演会)に駆け巡ることが、私にできる最高の震災復興支援になると考えています。
これまでは講演会開催にあたり、主催者に旅費の負担をお願いしていました。しかしこれからは、手弁当でも講演に出掛けます。ただ、糞土師といえども食べて活動するための最低限のお金は必要です。講演謝礼はいりませんが、話を聴いていただいた方々からのお布施は大歓迎です。遠距離では旅費がちょっと厳しいですが、遠慮なくお申し付け下さい。可能な限り出掛けます。
私はメールをやってないため、手紙か電話、FAXでご連絡ください。
〒309−1347
茨城県桜川市富谷1014
伊沢正名
TEL、FAX
0296−75−2384
大震災で糞土師は・・・
posted on 2011.04.02
3/14に大地震に関する第一報を出しましたが、もう少し詳しく書いてみます。
しばらく続いていた余震が少し落ち着いてきたので家に入ると、土蔵の扉が少し傾き、床には崩れた壁土が散乱していました。江戸時代の職人技を伝える土蔵は私の自慢ですが、扉倒壊の危険があるため、重い扉の土を崩し、骨組みだけを残して撤去するしかありませんでした。当分は壁があちこち崩れた土蔵は使えませんが、食べて出すことはきちんと出来ています。ある程度の不自由は苦になりません。
震災は自然の成り行きと諦めもつきますが、問題は原発事故のとんでもない人災です。それは電力会社や行政だけの責任ではなく、少しの利便性のために大量の電気を食う自販機があちこちに立ち並ぶような社会を作ってしまった、我々一人ひとりの無自覚が根底にあります。豊かさや快適さを追い求めながらの原発反対では、虫がよすぎます。また、脚光を浴びる太陽光や風力発電などの自然エネルギー開発も、発電装置を造るための資源とエネルギーの消費や、使えなくなった後の巨大なゴミ問題を考えれば、原発よりは少しマシ、というだけです。欲望をちょっとおさえて、使い過ぎの電力を減らすことこそ、簡単で確実な課題です。
糞土師の主張は、単にウンコを生態系の中に戻そうというだけではありません。
自然の中で生きて行く責任を果たすことが真の目的です。
震災復興計画の基本にこそ、糞土師の主張が必要だと考えています。
震災時こそ正しい野糞
posted on 2011.03.14
今回の大地震では危険を感じて庭に飛び出すと、土蔵の壁が一部崩れて土煙が立ち上がりました。我が家は江戸時代の古い土蔵を改造して、寝室や写真の仕事場などにしています。ご先祖様からは「関東大震災でも大丈夫だった」と聞いていたのですが、それを上回るこの度の揺れには耐えきれなかったようです。今は余震が心配で別室避難中ですが、落ち込みは一切ありません。
地震の直後から電気も水道も止まり、周りではトイレで流す水の確保にも苦労しているようですが、私は風呂の残り湯をボトルに入れて、平時とまったく変わらぬ野糞生活を送っています。
「災害時こそ野糞生活」が実証できるよろこび、そして「大地震も自然の成り行き」と落ち着いていられるのも、糞土師生活のおかげです。
これを機に、あなたも「正しい野糞生活」を真剣に考えてみてはどうでしょうか。
千葉
posted on 2011.02.18
2月12日、千葉県南房総市千倉で、今年初めての糞土講演会がありました。この地は暮れの12月19日に、昨年最後の講演をした所です。
その時は、寒い屋外でスライド無しという悪条件だったため、なんとか会を盛りあげようと、野糞の楽しさを重点的に話しました。ところがそれが裏目に出て、参加者の一人から「山の中でするのは良いが、都会の公園で野糞をして、しかもそれを喜々として話すのはけしからん!」と抗議されてしまいました。
今回はその失敗を生かし、野糞の意義がしっかり伝わるように注意して話をまとめました。
実はこの講演会には、前回の話に不満があり、その批判をしようと今回も参加された方が一名おりました。その方は終了後に、この前は「フン」だったが、今回は「フンフン」だった。そして「感動した」とまで言ってくれました。
批判をきちんと受け止め、ていねいに対応することの大切さを学び、それがすぐに結果として現れたわけです。
その夜も館山市相浜の宿「あわじや」で講演しましたが、ここでも更なる発展につながる、手応え充分の会になりました。
翌日は、葦船プロジェクトの葦刈り作業と、主催者の石川仁さんのお話し会に参加して、楽しくも充実した2泊3日の旅でした。
2月6日
posted on 2011.02.06
今朝野糞に出掛けたら、林の入口で近所の顔見知りに出会ってしまった。それは、最近田畑の被害がひどいイノシシを駆除している、イノシシ狩りの名人とその仲間のハンターだった。
よく林間を歩き回り、あちこちに沢山ある野糞跡の×点を見ては不審に思っていたそうだ。ヘタにごまかすよりもと思い、正直に告白したが、これでずいぶん気持ちが楽になった。
実はこれまで、地元でだけは糞土講演会をやりたくないと思っていた。私にだって恥ずかしさはあるし、あまり関心を持たれ過ぎて、日々の野糞に支障が出ては困るという気持ちもあった。しかし今朝の一件で、この弱気にようやく糞切りがついた。
これからは地元での講演会開催も視野に入れて、がんばって行こうと思ってる。
新年おめでとうございます。
posted on 2011.01.11
みなさん、良い年越しをされたでしょうか。
私は暮れに400字×50枚の原稿を抱えて、四苦八苦の年越しでした。それは某自然保護団体の会誌に載せるものです。ともすればまじめ人間から批判を受けやすい「野糞の楽しみ」というような内容ではなく、自然保護運動の中からスタートした、私の野糞活動の原点をしっかり踏まえた論説です。
題は『生態系の中で生きて行くために〜野糞に学ぶ』
環境運動に取り組んでいる人たちに、偏見を捨ててウンコや野糞の大切さ知ってもらう良い機会です。前半は腐ることの大切さで、もちろん糞生菌に力を入れて、キノコのはたらき。そして後半は、生態系の中でどれほど野糞がすばらしい効果を上げているかという、野糞跡掘り返し調査の話です。
クソまじめな論説ですから、優に100を超える「ウンコ」や「野糞」の文字がちりばめられることになりました。
実は大晦日の31日〆切でしたが書き終らず、正月6日になんとか仕上げて郵送し、ようやく年が明けた気分です。
これから本腰を入れて糞土師ホームページを充実させていきます。
本年もよろしくお願いいたします。
2011・1・10
糞土師:伊沢正名
