野糞の楽しみ

トイレでウンコ

[野糞の楽しみ]

posted on 2011.10.02

イチローの連続200本安打は、とうとう10年で途切れてしまいました。唯一のライバルと目していた私にとっては本当に残念ですが、イチローの次の挑戦に期待しています。そして、前人未到の大記録を打ち立てたイチローに、心から拍手を送ります。

すでにイチローの11年連続が絶望的になった9月21日、その日の分は朝のうちに山でしてきたのですが、午後になってちょっと下痢気味。雨でも余裕しゃくしゃくの私ですが、その時はトイレに入りました。別にイチローへの同情ではなく、新たな挑戦です。

来年2月に、北海道での講演が決まりました。しかし予算が少なく、大洗→苫小牧はフェリーで、そこから札幌へは電車で、安上がりに行く事にしました。講演は18〜20時。当然札幌市内泊。そして真冬の北海道。野糞には極めて厳しい環境です。都内泊でも海外旅行でも野糞で通してきた私ですが、今度のハードルは更に高く、ここは『牛乳パック携帯トイレ法』をマスターしておかなければ、と考えたしだいです。

我家のトイレは狭いうえに洋式便器。パックへの排泄と葉っぱの粗拭きは床でなんとか済ませたものの、便器から水をこぼさないように、中腰での肛門洗浄にはちょっと苦労しました。
ガムテープで封をして室内に置くこと11日間。部屋を閉め切っておくと、何となく臭っているようですが、それほどの悪臭ではありません。

そして10月2日の朝、野糞の時に山へ持って行き、中味を埋めました。ウンコの上に載っていた葉っぱはカビが生えていたものの、その姿は健在。ウンコの臭いは、少し酸っぱいような、何となく甘そうな、ちょっと発酵してる様な悪臭でした。
じつは腸内細菌による分解を調べてみようと、10日以上室温に置いておいたのですが、元々が下痢便だったためか、期待した効果は上げられませんでした。
使った牛乳パックは沢水で簡単に洗い、可燃ゴミとして出しました。

ちなみに当日分のトグロウンコは、11日の半腐れウンコに比べると、姿も臭いもはるかに良かったです。事後処理の面倒もなく、つくづく野糞の素晴らしさを感じました。

お尻で見る葉っぱ図鑑.その1

[野糞の楽しみ]

posted on 2011.05.24

若葉の季節に私がよく使っている葉っぱの中から、代表的なものをいくつか紹介しよう。いずれも道端に生えている、生命力の強い雑草だ。尻拭き用に少し摘んだところで、何の問題もない。むしろ採らずにおけば、草刈りや除草剤の散布などで、せっかくの自然の恵みが無駄になる。

まず最初は、「お尻拭き」が語源のフキ。
若葉は柔らかく、産毛も少しあって吸着力は良い。充分大きいので、三つ四つに折り重ねれば安心感も増し、評価は(4)。しかし成長して緑が濃くなると、硬くなって尻触りが粗くなる。(3)。その場合は、大きい葉を採って適当に裂き、さらに使いやすいように10センチ角くらいに折りたたみ、半枯れにすると拭き心地が向上する(3.5〜4)

次は、葉は細かく裂けているが、葉裏に白く綿毛が密集してるヨモギ。
この様に葉幅の狭い草は、上から20センチくらいのところで茎ごとちぎり取り、そのまま束の状態で使う。厚みが充分あるだけでなく、自然に毛の密集した葉裏で拭き取ることになり、尻触りも吸着力も良いうえに、香りというプラス要素まである(4〜5)。
盛夏になって成長したヨモギは、さらに細く硬くなって使えないが、草刈り後の二番芽、三番芽はやっぱり柔らかく、秋になっても楽しめる。

姿形は小さいが、青白い体に黄色い花を載せて、他の草の中にあってもよく目立つハハコグサ。
良い葉っぱを見付ける一番のコツは、実は「白っぽい色」にある。大抵は毛が沢山生えているから白く見えるし、柔らかさと吸着力のポイントは毛の多さにある。
茎も葉も、全体に綿毛をまとったハハコグサのやさしい柔らかさは一級品だ。これも10〜20センチの長さに切り取り、5〜10本束にして使う。半枯れでしんなりすると、更に良い(5)。
本数が足りない時は、評価は低くても大きさのある葉に載せて使えば、はみ出たウンコが指にくっつく心配もない。

さらに細長く、葉が微小で毛もない、ハコベやオオイヌノフグリ、スズメノエンドウなどなど。
これらはまとめてちぎり取り、直径5センチくらいの玉に丸める。そのままではばらけやすいし、吸着力も劣る(2〜3)が、半枯れにすると、しっとり柔らかな草玉になる(3〜4)。

半枯れは、程々に水分を抜いてしんなりさせるのが目的で、「蒸れず乾かず」がポイントだ。
通気性のないビニール袋などに入れると蒸れて痛むし、乾いてしまっては柔軟性が失われて台無しになる。
薄い葉っぱなら、二つに折った厚手の紙(ボール紙など)に挟んでおくだけで良い。束や草玉にして使うものは、適当な長さに切った古ストッキング(廃材利用に限る。新品の消費は趣旨に反する)に入れておくと良い。

今回は葉っぱの種類数こそ少ないが、充分大きな葉っぱ、細かい葉の束使い、草玉、そして半枯れにして性能アップと言う、葉っぱ使いの基本を紹介した。(知らない草は、自分自身で、図鑑などで調べていただきたい。)
これを元にして、皆さんの身近にある葉っぱを調べ、これぞ!という尻拭き葉っぱを見付け出していただきたい。

尻拭き葉っぱの条件

[野糞の楽しみ]

posted on 2011.05.22

一口に葉っぱと言っても大きさや形状は様々で、気持ちよく使うためには、幅4〜5センチ以上の大きさと破けにくい丈夫さ、尻触りの良い柔らかさ、そしてウンコの吸着力の良さが求められる。
そこで私は、次のような基準で葉っぱの5段階評価をしている。

1:不可.破けやすい、痛い、滑って拭き取れないなど、使い物にならない
2:可. 拭き心地は良くないが、なんとか使える
3:良. 大きさ、尻触り、吸着力など、マアマアの使い勝手
4:優. お尻にやさしく、吸着力も良い
5:秀. うっとりするような尻触りで、吸着力も抜群

ちなみに、久方振りにティッシュペーパーを使ってみたところ、その評価は3.5だった。吸着力は良いのだが、尻触りが粗くて大きく減点された。手触りが良くて拭き心地も良いと思っていた紙も、敏感な肛門で採点すると、せいぜいこの程度のものなのだ。

葉っぱはその種類ごとに、形や大きさ、質感はある程度決まっているが、成長段階や生育環境の違いなどで、その性状は大きく変化する。
柔らかい若葉も成長すると硬くなり、枯れかかるとしんなりして柔らかくなる。
乾いた枯れ葉はもろく破けやすいが、雨や朝霧などで湿気を含むとしなやかになる。
日向に生えた葉は厚くて硬いが、日陰では薄く柔らかい。
また、大きさが足りなければ束にして使うとか、薄くて頼りなければ数枚重ねる。硬めの葉は採って1〜2日おき、半枯れでしんなりしてから使うなど、ちょっとした工夫で使い勝手は大幅に向上する。
さらに、下痢の時や肛門の粘膜が過敏な人なら、やさしい尻触りを優先するだろうし、多少粗くても力強い吸着力に満足感を得る人もいるだろう。

このように、Aの葉っぱは5、Bは4、Cは3・・・などと単純に格付けできないのが、葉っぱ野糞の奥深さなのだ。だからこそ、自分なりの発見のよろこびは無限にあると言っても良い。

役に立たない頭の中だけの知識ではなく、生きるために欠かせない排泄行為を通して、自然を自分のものにするよろこびを知ってほしいのだ。特に災害などで便利な日常の機能が失われた時に、その価値が改めて実感できるはずだ。

葉っぱ野糞は自己責任で

[野糞の楽しみ]

posted on 2011.05.18

野糞の楽しみを紹介する前に、これだけはハッキリ言っておきたい。
自然の中での野糞では、ハチや毒へビ、大型獣など危険な動物に出合わないとも限らない。実際私は、その最中にクロスズメバチに刺されたり、マムシやイノシシなどに接近してキモを冷やしたことがある。
また、葉っぱの中には毒のあるウルシやイラクサなどもあれば、鋭いトゲの生えたものもある。その半面、採ってはいけない貴重な植物もある。

場所選びから最後の枯れ枝立てまでの正しい野糞のマナーに加えて、身を守るための注意と、有毒植物や貴少植物を見分ける基本的な勉強は欠かせない。そして自分自身の行動には、しっかり責任を持つことが重要だ。
何から何まで教えてもらい、問題が起こればだれかに責任を押しつけるような人には、葉っぱ野糞を楽しむ資格はない。とにかく野糞には、生きる責任を果たすことなのだから。

ところであなたは、自分の肛門がどの辺にあるのか知っているだろうか?
直径20センチほどの小さな野糞穴にうまくウンコを収めるには、これは結構大切なことなのだ。
ウンコ座りした時の肛門の位置は、だいたい左右のかかとを結んだ線上にある。穴のまん中にウンコが落ちるように、このことを意識して足を置く場所を決める。
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さて、いよいよ次から、お尻拭きと葉っぱの紹介に入ります。

葉っぱ野糞入門

[野糞の楽しみ]

posted on 2011.05.10

『食は権利、ウンコは責任、野糞は命の返し方』
人間が生態系の中で生きる責任を果たすのに、野糞くらいすばらしいことはない。しかし、野糞には多くの困難が伴い、責任感だけではとても長続きしない。
私の野糞はすでに37年以上、11600回を越え、この5月31日には連続11年を達成するところまで来た。それもこれも、目的意識以上に、楽しくて豊かな気持ちになれるからこそ、ここまで続けてこられたのだ。

「便論糞ぷん」の最初の方で紹介した「正しい野糞の仕方」は、『場所選び、穴掘り、葉で拭き、水仕上げ、枯れ枝立てて、年に1回』。この中の、紙ではなく葉を使う「葉っぱ野糞」に、楽しい自然との触れ合いがたっぷり詰まっている。

「糞土研の女王」が主催する「オーガニック・ガーデン・マイスター講座」が合宿形式で先日行われ、その中で私も5月2日に講義をした。そこで、朝の野糞に皆を誘い、葉っぱ野糞の手ほどきをしてみた。そのあたりに生えている様々な葉を採り、たとえウンコが出なくても、パンツを脱いで実際に葉っぱでお尻を拭いてもらった。その時、比較するためにティッシュペーパーでも拭いてもらったが、皆の感想は一様に、「葉っぱの方が気持ち良く拭けた」

木を伐り、多くのエネルギーや薬品を使い、環境を破壊して作られる紙など使わなくても、それ以上のことが簡単にできてしまう葉っぱの素晴らしさに目覚め、そのせいかどうかは知らないが、葉っぱ野糞を体験した全員がその場で糞土研究会に入会してしまった。私が入会を勧めたわけではないのに。

やわらかな若葉が次々に萌え出す春〜初夏は、葉っぱ野糞入門に最適の季節です。
皆さんも是非、挑戦してみては?
紙を捨てて、野糞に出よう!

あなたのウンコは何グラム?

[野糞の楽しみ]

posted on 2011.02.08

1日にどれくらいのウンコをしているか、あなたは知ってますか?
食事の量や食べ物の種類、そして体調によっても日々のウンコの量は違ってくるが、トイレ問題を考える場合などでも、その量は重要なデータになるはずだ。
何の本で読んだのか忘れたが、人は1日に200〜300gのウンコをすると言われている。しかし受け売りの知識で話をするのは嫌だし、実際に自分でどれくらいウンコをしているのか知りたかった。そこで昨年暮れから正月にかけての5週間、毎日秤を持って野糞に行き、ウンコの重さを調べた。

計量のし方は、ホオノキの大きな落ち葉にウンコをして(野糞の場所は限定される)、10g単位で目盛りのあるキッチン秤に載せて量った。
期間は2010年12月25日〜2011年1月29日の36日間。ただし大晦日から正月の食べ過ぎ飲み過ぎで1月3日は下痢をして、ウンコが流れてしまい計測不能。
この日の分は記録がとれず除外したため、35日間、5週間の記録になる。なお、この日から数日間は食事制限をしたため、その間のウンコは少なめだった。

最小のウンコは、1月17日の40g。この日は肋間神経痛になり、体調が悪いうえに便意も無かったが、強制脱糞した。
次に少ないのが、12月31日、1月4日、1月8日の90g。1月4日と1月8日は節食中のウンコだった。最大は1月9日のウンコで、食事制限終了後の反動か、410gも出た。
残りの30日は、130〜370gで、100g台が6日、200g台が16日、300g台が8日だった。
というわけで、35日間の総ウンコ量は8430g。1日平均241gになり、200〜300gの真ん中付近に収まった。
ちなみに、300g以上のウンコが出れば、ちょっと自慢したいような満足感が味わえます。

下肥は小乗、野糞は大乗

[野糞の楽しみ]

posted on 2010.01.14

正月にちなみ、ありがたい糞話をひとつ・・・
これまで糞土講演会などで、時々こんな質問や反論をいただきました。「栄養価の高いウンコは下肥として有効利用するのが最善で、それを野山に捨ててしまうような野糞は無駄ではないか」と。

ウンコを活かす下肥は、私も大賛成です。しかし聞くところによると、今では田舎町でも水洗トイレが普及して、下肥の本になる混じりけのないウンコが不足してきたというのです。さらには、新築家屋には汲み取り便所は認めない、つまり水洗でないと建築許可が下りないのです。とうとうウンコを活かすことを法律や条例で禁ずるまでになってしまいました。いったいどんな人が、こんなことを決めたのでしょう? ボットン便所を、そして下肥復活を、声を大にして叫びたい心境です。

さて、仏教には自己の解脱(束縛や苦しみから抜け出し、悟りを開くこと)だけを求める小乗仏教と、人々を悟りに導き救済する、利他中心の大乗仏教があります。そこから、大乗には私情や目先のことにとらわれない、大局的という意味があります。

私は糞土師として、食べ物は自然からいただいた物なのだから、栄養を取って不要になったウンコは自然に返そう、と考えています。ウンコになっても人間社会の中だけで活用しようという下肥思想は、ある意味小乗ではないでしょうか。有機農業などを真剣に考える方々でさえも、人間中心の考えから抜け出せず、自分を生かしてくれる自然への感謝が足りないのではないかと思ってしまいます。

座禅や瞑想、荒業などではなく、百数十の野糞跡を掘り返し、見て触れて、嗅いで味わって(最短は、脱糞後19日目)、私はこの境地に辿り着きました。ウンコの本当のすばらしさを、そして自然と共生する人間の生き方を悟らせてくれたのは、他ならぬ野糞だったのです。

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