2012年、糞土師は・・・②

[糞土師のひとりごと]

posted on 2012.03.20

 大震災と原発事故から一年が経ち、人々の意識は大きく変わり、糞土師の訴えを受け止める下地もできたように感じます。例年になく1月末から講演会が連続し(5週で10講演)、南へ北へと飛び回り、その準備もあってテンヤワンヤ。いつもは旧正月をめどに出すあいさつ状は、大幅に遅れてしまいました。

 今年最初の長野県諏訪市図書館の講演会では、小学生から年配まで定員を超える76名が熱心に耳を傾け、アンケートにも熱く答えてくれました。次の阿蘇〜伊佐(鹿児島県)〜熊本では、「私も肥溜めで下肥を作ってみたい」と言う若い女性まで現れ、続く札幌(×2)と東京(×3)では、共鳴した参加者が新たに講演会を企画してくれるなど、予想を上回る反響に意を強くしています。 
 また、諏訪図書館もそうですが、北海道自然保護協会、日本下水文化研究会、さらにはNPO法人自然観察大学などと、講演の主催者が多彩になり、参加者の幅も広がってきました。
 そして3月4日の小田原。告知期間が短く狭かったにも拘らず50名も参加。翌日は市役所で、段ボールコンポストで生ごみの循環運動を市と協同して進める「小田原生(いき)ごみクラブ」の会議に顔を出し、糞土師活動を紹介。行政にも関わりを持つきっかけが作れたのは、大きな前進です。

 これからも山形、東京、地元茨城などと、まだまだ息を抜けない情況は続きますが、一人でも多くウンコ話を聞いてもらうのが、これまで私を生かし育ててくれた自然と人々へのお返しであり、よろこびです。
 『人は善をなさんとして悪をなす』ウンコへの無知に限らず、上辺だけのインチキエコに騙されて、多くの人が知らず知らずのうちに加害者になっています。物事の本質を見極めるのに最適なウンコを通して、それらのことを知ってほしいのです。

 ほんの数名でも、どんな場所でも、そして講演謝礼など心配せずに、講演会や野外実習(菌による分解の観察・正しい野糞のしかた・お尻で見る葉っぱ図鑑など)を計画して、気軽に声をかけてください。思いが相手に通じるよろこびは、お金には換えられません。また、旅費にも事欠くような場合にはきちんと請求しますし、お布施はありがたく頂きますので、ご安心を。
 私はメールもケータイもありません。手間のかかる面倒臭いヤツで申し訳ありませんが、これも野糞と同様“私の生き様”です。手紙か電話、FAXでご連絡下さい。よろしくお願いします。

          2012年啓蟄
          糞土師 伊沢正名

          〒309−1347 茨城県桜川市富谷1014
          電話、FAX 0296−75−2384   

追伸) 3月8日朝、突然こんな知らせが届きました。
10月にソウルで開かれるオーガニックガーデンシンポジウムに、糞土研究会の女王:曳地トシさん夫妻と共に、糞土師が講師として招待されたのです。事のはじまりは、昨夏、曳地さんが主催し、私も講師を務めるオーガニックガーデンマイスター講座に、韓国から2名の参加がありました。この講座が泊まり込みで行われるようになったのを機に私は朝の時間外特別講座として、希望者に葉っぱの野糞の野外実習を取り入れていました。初体験がさぞかし素晴らしかったのでしょう。さっそく韓国でも!となったようです。
 「仁」を旨とする儒教の国で糞土思想がどう受け止められるか、楽しみな初の海外進出です。

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