はじめに

ウンコ:糞、大便、クソ、うんこ・・・臭い、汚いと多くの人に嫌われるウンコ。 実際2004年の人名用漢字見直しでは、『糞』は削除要望の第一位に輝く。 そして今、良識の先頭に立つはずの新聞のいくつかで、『糞』の字は使用禁止。そんな『糞』を肩書きにかかげる糞土師:伊沢とは、とんでもないヒネク レ者?  イヤイヤとんでもない(変人には違いないが)。じつはウンコは、大切な命の源=地球の宝であり、時にはとてつもない力を発揮する素晴らしいものなのです。

本物のエコロジー=地球にやさしいとはどういうことなのか、また、生き物 として人の生活はどうあるべきかなどについて、野糞歴49年、大地に還したウンコが15900回を超える(2023年1月現在)糞土師が、ウンコや野糞を通して発言していき ます。さらに、正しい野糞の仕方やその楽しみなども紹介します。しかしこれ は単なるスカトロジー=糞尿趣味ではありません。偏見を捨ててウンコを科 学し、野糞を哲学して、本物の豊かな生活を目指すのが目的です。

ウンコの大切さを、そして野糞の素晴らしさを皆さんに知ってもらうため、 わたくし糞土師が、この糞土教室で教ベンを執らせていただきます。

※『糞土:ふんど』とは

『糞土』を辞書で引くと、『腐った土。汚いもの。いやしむべきもの』と出ています。はっきり言って悪い意味で使われます。しかし私が名乗っている糞土師のいわれは、『土を要とし、自らの肉体と大地とをひとつながりのものととらえる、身土不二の思想の実践者にしてその道の練達』という意味で、まんが家:小池桂一さんによる命名です。
また、野糞の分解過程で使う糞土は、植物が分解されてできた腐植土に対して、ウンコが分解して土状になったものを指しています。