6月11〜12日、只見講演会報告

大震災に加えて原発事故で大変な福島も、最奥の只見町は初夏の緑に満ちあふれた楽園でした。

今回の主催者:只見の自然に学ぶ会では、地元新聞2紙での告知も考慮して、ウンコや糞を前面に出さず、講演会「くさってつながる命の環」・観察会「お尻で見る葉っぱ図鑑」という素晴らしいチラシを作ってくれました。しかし、『ウンコは良識の踏絵』に書いたように、世間の良識?の壁は想像を超える高さで、紙上告知は空振りに終わりました。
それでも、意識の高い聴衆が30名近く集まってくれました。

熱心な質疑応答も済み、温泉で汗を流し、夕方からの懇親会ではうまい酒も入り、古武術式ウンコ座りの実演も交えながら、夜遅くまで熱便を振るいました。お陰で翌朝目が覚めると、ノドはガラガラ。はれぼったい目で起き出し、朝食前に野糞に出ました。
只見線の線路際の林で野糞を済ませ、その日の教材用に葉っぱを数種類摘んで宿に帰ると、間もなく朝食。スッキリしたお腹に美味しい朝御飯を、お代わりしていただきました。

観察会には14名が参加し、正しい野糞の仕方や、現物に触りながら葉っぱの奥深さを解説。続いて、道端や林の中で、全員で葉っぱ探し。この日見つけた最高級品はオヤマボクチ(ヤマゴボウ)。やわらかい綿毛を裏に密生した大きな葉は、文句なしの評価5。
この時、参加者の中に下痢ぎみの山屋が一人いました。採りたての葉っぱに加えて、講習用に持って行ったデザート用のミントの葉を1枚渡して、さっそく実践!
その感想は、「葉っぱの評価をする余裕はなかったが、心配していた違和感はまったく無く、すっきり拭けた。ミントのスースーした爽やかさがまだ残っていて、とても気持ち良い。」

今回は登山愛好家が何名も参加していたのが、大きな収穫でした。学ぶ会の方からは、浅草岳で高校総体の山岳競技があった時に、その野糞跡の汚らしさが問題になり、それ以後は山岳競技が中止になった、という話を聞きました。電気も水も止まる災害時だけでなく、登山などのアウトドア活動では、正しい野糞は必須の条件です。登山界に糞土師活動をひろげる機会を、私はずっと待っていたのです。

キノコ写真の関係で、私はだいぶ前からアウトドア雑誌『ビーパル』に係わっていました。そしてビーパルには、アウトドアを標榜するなら正しい野糞特集も組むべきだ、と以前から何度も提案してきたのですが、ことごとく拒絶されています。実はビーパルは、コマーシャリズムにどっぷりつかり、スポンサーの顔色ばかりうかがう、上っ面だけのエセアウトドアだったのですね。完全に期待を裏切られました。

困難はまだまだ続くでしょうが、本物を求めて、これからもがんばります。