お尻で見る葉っぱ図鑑.その1

若葉の季節に私がよく使っている葉っぱの中から、代表的なものをいくつか紹介しよう。いずれも道端に生えている、生命力の強い雑草だ。尻拭き用に少し摘んだところで、何の問題もない。むしろ採らずにおけば、草刈りや除草剤の散布などで、せっかくの自然の恵みが無駄になる。

まず最初は、「お尻拭き」が語源のフキ。
若葉は柔らかく、産毛も少しあって吸着力は良い。充分大きいので、三つ四つに折り重ねれば安心感も増し、評価は(4)。しかし成長して緑が濃くなると、硬くなって尻触りが粗くなる。(3)。その場合は、大きい葉を採って適当に裂き、さらに使いやすいように10センチ角くらいに折りたたみ、半枯れにすると拭き心地が向上する(3.5〜4)

次は、葉は細かく裂けているが、葉裏に白く綿毛が密集してるヨモギ。
この様に葉幅の狭い草は、上から20センチくらいのところで茎ごとちぎり取り、そのまま束の状態で使う。厚みが充分あるだけでなく、自然に毛の密集した葉裏で拭き取ることになり、尻触りも吸着力も良いうえに、香りというプラス要素まである(4〜5)。
盛夏になって成長したヨモギは、さらに細く硬くなって使えないが、草刈り後の二番芽、三番芽はやっぱり柔らかく、秋になっても楽しめる。

姿形は小さいが、青白い体に黄色い花を載せて、他の草の中にあってもよく目立つハハコグサ。
良い葉っぱを見付ける一番のコツは、実は「白っぽい色」にある。大抵は毛が沢山生えているから白く見えるし、柔らかさと吸着力のポイントは毛の多さにある。
茎も葉も、全体に綿毛をまとったハハコグサのやさしい柔らかさは一級品だ。これも10〜20センチの長さに切り取り、5〜10本束にして使う。半枯れでしんなりすると、更に良い(5)。
本数が足りない時は、評価は低くても大きさのある葉に載せて使えば、はみ出たウンコが指にくっつく心配もない。

さらに細長く、葉が微小で毛もない、ハコベやオオイヌノフグリ、スズメノエンドウなどなど。
これらはまとめてちぎり取り、直径5センチくらいの玉に丸める。そのままではばらけやすいし、吸着力も劣る(2〜3)が、半枯れにすると、しっとり柔らかな草玉になる(3〜4)。

半枯れは、程々に水分を抜いてしんなりさせるのが目的で、「蒸れず乾かず」がポイントだ。
通気性のないビニール袋などに入れると蒸れて痛むし、乾いてしまっては柔軟性が失われて台無しになる。
薄い葉っぱなら、二つに折った厚手の紙(ボール紙など)に挟んでおくだけで良い。束や草玉にして使うものは、適当な長さに切った古ストッキング(廃材利用に限る。新品の消費は趣旨に反する)に入れておくと良い。

今回は葉っぱの種類数こそ少ないが、充分大きな葉っぱ、細かい葉の束使い、草玉、そして半枯れにして性能アップと言う、葉っぱ使いの基本を紹介した。(知らない草は、自分自身で、図鑑などで調べていただきたい。)
これを元にして、皆さんの身近にある葉っぱを調べ、これぞ!という尻拭き葉っぱを見付け出していただきたい。